
カラー表示は魅力だが、文字のシャープさではモノクロ版に軍配か。
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AmazonがFAQで異例の“正直コメント”
Amazonが新たに公開した「Kindle Colorsoft」シリーズのFAQページに、やや驚きの一文が追加されました。
それによると、カラー表示に対応したColorsoftモデルよりも、モノクロのKindle PaperwhiteやKindle Scribeのほうが文字がよりシャープに表示されるというのです。
電子ペーパー技術の進化でカラー対応が注目を集めていますが、Amazon自身が「一長一短」を公式に認めた形です。
カラー層がもたらす“にじみ”と引き換えの表現力
Good e-Readerの報告によると、この文言は**「Kindle Scribe Colorsoft」および16GBの廉価版Colorsoft**のFAQに共通して追加されたとのこと。
Amazonはそこで、「カラー層によってイラストやPDFはより鮮やかになるが、画面のテクスチャと明るさがわずかに変わる」と説明しています。
ColorsoftシリーズはE Ink Kaleido 3ディスプレイ技術を採用しており、カラー表示時の解像度は150ppi。一方で、従来のモノクロKindleでは300ppiのグレースケール表示に対応しています。
そのため、小説や論文など文字中心の読書では、PaperwhiteやScribeのほうがよりくっきりとした読み心地になるわけです。
コミックや雑誌には最適だが、“読書端末”ではない
AmazonはFAQ内で、「テキスト中心の読書を重視するならモノクロモデルを検討してほしい」と案内しています。
一方で、Colorsoftはカラー漫画や雑誌、PDF資料を読む用途には向いており、用途に応じた選択を促す形です。
他社製品であるKoboやOnyx Booxも同じE Ink Kaleido 3パネルを採用していますが、Amazonのように画質の違いを明言しているメーカーはほとんどありません。この点では、ユーザーに正直な姿勢とも言えそうです。
“正直さ”が示すAmazonの狙い
Colorsoftの登場で「オールインワンなKindle」を期待した読者も多いでしょう。
しかしAmazonは、**「あらゆるユーザーに1台で対応するより、用途ごとに最適なKindleを選んでほしい」**というスタンスを打ち出しているように見えます。
結果的に、最先端のカラー電子書籍端末であっても、文字を読むなら従来モデルが最適という現実をAmazon自らが示した形です。