
Amazonが秋の新製品発表会で、Kindle向けに新しいAI機能を発表しました。「Story So Far」と「Ask This Book」という2つのツールで、読書体験がこれまで以上にインタラクティブになると伝えています。
目次
あらすじを自動整理する「Story So Far」
「Story So Far」は、いわば“あらすじ自動生成”ツール。これまで読み進めた部分だけを要約してくれるので、長編小説を途中で放置していた人でも、ネタバレなしでストーリーを思い出せます。これまでのように前のページを何度もめくる必要がなく、スムーズに読書へ戻れるのが狙いです。
作品に質問できる「Ask This Book」
もうひとつの新機能「Ask This Book」は、読書中に気になった場面やセリフをハイライトして、その意味や背景をAIに質問できる仕組み。例えば「このシーンの意味は?」と聞けば、読んだ範囲だけに基づいて回答してくれるとのこと。将来の展開に触れずに理解を深められるのがポイントです。
まずはiOSアプリから導入、ハードは2026年
Amazonによれば、これらの機能は2025年後半にiOS版Kindleアプリで提供が始まり、その後2026年初頭にKindleデバイスにも拡大予定。対象は「数千冊」のタイトルからスタートし、全作品対応ではありません。また、作品の文体や表現次第ではAIがうまく答えられないケースもあると注意を促しています。
シンプルな読書体験から大きな転換点に
Kindleは長年「シンプルで集中できる読書」を売りにしてきましたが、今回のAI機能追加はその方向性を変える試みといえます。要約や質問といったインタラクティブな仕組みがどこまでユーザーに受け入れられるか。読書体験が新たなフェーズに入るかどうかは、この機能がどれだけ“ネタバレしない正確さ”を実現できるかにかかっているようです。