Appleが、長年開発を進めてきた「デジタルパスポート」機能を、ついに米国内で正式に導入する準備を進めています。
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Apple Pay責任者がカンファレンスで正式言及
Apple PayおよびApple Wallet担当副社長のJennifer Bailey氏が、米ラスベガスで開催された金融テクノロジー系カンファレンス「Money 20/20 USA」に登壇し、Apple Walletに関する最新情報を発表しました(引用: 9to5Mac)。
Bailey氏は講演の中で「私たちは財布の中にあるすべてのものを置き換えるために取り組んできました。大きな進展を遂げています」と語り、米国パスポートをApple Walletに追加できる機能が間もなく登場することを正式に認めました。

この機能は、米国内の一部TSA(運輸保安局)チェックポイントで、iPhone上のデジタルパスポートを使った本人確認を可能にする予定とのこと。Appleの公式サイトでも、2025年中の提供開始が明記されています。
Apple Walletが支える「非接触型社会」
Apple Walletはすでに世界89市場で利用可能で、11,000以上の銀行・決済ネットワークと連携。Apple Payは米国内の小売店の90%で利用可能になっており、2014年のローンチ時(3%)から大きく成長しました。
またBailey氏によると、Apple Payは過去1年間で10億ドル以上の不正取引を防止したとのこと。これは、従来のクレジットカード決済よりも60〜90%高い防御性能を示すといいます。
さらに、Apple Walletの交通系機能は250地域・800都市でサポートされており、ホテルのデジタルキーは65,000室以上、自動車の「Car Key」機能は29メーカーに対応するなど、日常インフラとしての存在感を着実に高めています。
iOS 26で「デジタルパスポート」登場へ
新しい米国パスポート対応は、iOS 26のアップデートとして配信予定。現在、AppleはiOS 26.1の第4ベータ版をテスト中ですが、現時点ではパスポート機能はまだ搭載されていません。
米国内ではまず空港での本人確認用途から導入される見込みで、今後は国際旅行や行政手続きへの拡張も期待されています。日本での展開については現時点で未定です。
Bailey氏が語ったように、「財布のすべてを置き換える」というAppleの構想は、物理的カードや紙のパスポートを手放す未来をいよいよ現実のものにしようとしています。
引用: Apple Insider
