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11インチOLEDが放つ1,600cd/m²超の明るさ
Samsungが新たに投入した11インチタブレット「Galaxy Tab S11」。
その実力は、先代のGalaxy Tab S9やAppleのiPad Airと比べても明らかにワンランク上です。
筐体はアルミ製ユニボディで、防水にも対応。プレミアムモデルらしい高級感と堅牢性を両立しています。
最大の特徴は、やはりピーク輝度1,600cd/m²超を誇るOLEDディスプレイ。実測では1,575cd/m²(APL18パターン)、HDR動画再生時には1,648cd/m²を記録し、Samsungが公称する明るさを実現しました。
応答速度も非常に速く、ゲーマーにとっては特に魅力的な1台です。
ただし、すべてが完璧というわけではありません。
色再現性はXiaomi Pad 7 Proに一歩譲る
OLEDパネルの発色について、CalMANソフトと分光測定で分析したところ、sRGB色空間からのDeltaE値のズレがやや大きめという結果に。
つまり、色の正確性が最適化されておらず、特に赤と緑の再現に不自然さが残ります。
この点で、同じAndroid勢の「Xiaomi Pad 7 Pro」と比べると色精度では一歩劣る印象です。
とはいえ、動画視聴やゲームプレイにおいて気になるレベルではなく、日常的な使用での満足度は高いでしょう。
Dimensity 9400+搭載、高性能だが発熱も課題
SoCにはMediaTekの**Dimensity 9400+を採用。処理性能自体は非常に高く、アプリの切り替えやゲームプレイもスムーズです。
一方で、Galaxy Tab S11 Ultraと比べると発熱によるスロットリング(性能抑制)**が見られ、長時間の高負荷ではベンチマークスコアが低下しました。
一般的な使い方では十分すぎる性能を発揮しますが、クリエイティブ用途や長時間のゲームでは注意が必要かもしれません。
バッテリー性能に課題、シリーズ名変更の声も
明るさ・性能面では高評価を得たGalaxy Tab S11ですが、バッテリー持ちはやや物足りない結果に。
150cd/m²の輝度設定でのWi-Fiテストでは、Galaxy Tab S9が9時間、Tab S11は11時間という結果。
競合のAndroidタブレットと比較すると、バッテリー効率ではやや見劣りします。
一部のレビューでは「Galaxy Tab S11というより、“Galaxy Tab S20”として一気に進化すべきだった」とも評されています。
20時間駆動が実現できていれば、Androidタブレット市場でも圧倒的存在になっていたことでしょう。
高輝度OLEDの進化形、だが完全体ではない
Galaxy Tab S11は、明るく応答性の高いOLEDディスプレイと高級感ある防水ボディを備えた完成度の高いタブレットです。
しかし、色再現性・発熱・バッテリー寿命といった要素は今後の課題として残ります。
現時点では日本での発売は未定ですが、もし投入されれば、映像重視派やゲーマーから強い注目を集めるモデルになることは間違いありません。