スマートフォンの内部構造は、ここ数年で大きくは変わっていないように見えます。ですが、Vivoが出願した最新の特許は、その常識を少し揺さぶる内容でした。冷却用のファンと通信アンテナを一体化するという、なかなか尖ったアイデアです。
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冷却ファンにアンテナを組み込む構想
Android Headlinesによると、Vivoは内部冷却ファンの羽根そのものにアンテナを搭載する特許を出願しています。従来、スマートフォンのアンテナは本体フレームに固定された金属部品として配置されてきました。この方式は効率的ですが、手で持ったときに電波が遮られる「ハンドブロッキング」が起きやすい欠点があります。
Vivoの特許では、ファンが回転するという特性を逆手に取り、アンテナも回転させることで、より良い電波環境に向けて物理的に向きを変えられる仕組みが想定されています。移動中に基地局が頻繁に切り替わるような場面では、理にかなった発想と言えそうです。
回転しても断線しない無線接続
回転するファンにアンテナを載せると聞くと、配線が絡まったり断線したりしないのか気になります。そこを解決するのが、特許で説明されている「容量結合(キャパシティブ・カップリング)」という方式です。
これは金属同士のごく小さな隙間を介して信号を伝える仕組みで、物理的なケーブル接続を必要としません。ファンが高速で回転しても摩耗する部分がなく、安定した通信が可能になるとされています。
5Gだけでなく衛星通信も視野
この仕組みは5G通信に限られたものではありません。特許文書では、GPS、Wi-Fi、さらには衛星通信向けのアンテナを、異なるファンブレードに割り当てる構成も想定されています。
用途によっては、複数のアンテナがそれぞれ異なる方向を向くことも可能で、ドローン操作や複数デバイス間の通信など、やや特殊なシーンにも対応できると報じられています。
実用化すれば内部設計が大きく変わる
この特許が製品化されるかは現時点では不明です。ただ、もし実用化されれば、内部スペースを節約できるという大きな利点があります。冷却用として必須の部品をアンテナとしても使えるため、バッテリー容量の拡大やカメラセンサーの大型化に余地が生まれる可能性があります。
アクティブ冷却を採用する高性能スマートフォンは、2026年に向けて増えると見られています。そうした流れの中で、この「賢いファン」の発想が現実味を帯びてくるのか、今後の動きが注目されます。
