
Googleの最新スマートフォン「Pixel 10」シリーズで、米国の緊急通報番号「911」に正常に発信できない不具合が報告されています。接続はできるものの、相手の音声が「甲高い電子音」や「機械的な雑音」としてしか聞こえず、実質的に通話が成立しないケースがあるとのことです。
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Pixelシリーズに続く「911問題」
Pixelシリーズでは、過去にも911発信に関する不具合が指摘されてきました。最初の報告は2021年で、このときはMicrosoft Teamsアプリに関連したバグとされ、2022年に修正が行われました。しかし2023年にも再び911発信の失敗例が報告され、Googleが公式に認めたり修正内容を公表したことはありません。
そして今回のPixel 10でも同様の問題が確認されており、これまでの「発信自体が失敗する」不具合とは異なるものの、結果としてユーザーが緊急通報を利用できない事態となっています。
Redditユーザーからの具体的な報告
Redditユーザー「YellowWidget」氏は、Pixel 10で実際に911へ4回発信を試みましたが、いずれも「甲高い電子音やビープ音が混じり、かろうじて人間の声が断片的に聞こえる程度」で、会話は成立しなかったと報告しています。最終的にはPixel 7に持ち替えて発信し、同じ通信事業者(Google Fi)で問題なく通報できたとのことです。
また、別のユーザー「katzi6543」氏もPixel 10で同様の症状を2度経験したと投稿しています。幸い、緊急通報センターから折り返しの電話があり、そこで連絡を取ることができたとしています。
一部では、この電子音が聴覚障害者などが利用するTTY(テレタイプライター)の信号音に似ているとの指摘もあります。しかし通常、911センターが着信側でTTYを自動的に有効化することはないため、原因は依然として不明です。
Googleの対応とユーザーへの注意喚起
現時点でGoogleはこの不具合について公式コメントを出していません。米国の公式サイト「911.gov」によると、ユーザーは最寄りの緊急通報センターに「非緊急用の電話番号」から連絡し、テスト発信を予約することが推奨されています。これは実際の「911」への直接発信ではなく、事前に時間を設定して通話確認を行う仕組みです。
ただし、テストで成功しても、実際の緊急時に同じ問題が起きない保証はないとされています。
緊急通報の信頼性に依然課題
Pixelシリーズでは過去にも緊急通報に関する不具合が繰り返し報告されてきましたが、最新のPixel 10でも依然として課題が残っているようです。緊急通報が利用できないことはスマートフォンにとって致命的な問題であり、Googleの公式対応が待たれます。日本国内で同様の事例は確認されていませんが、現時点ではPixel 10の日本発売予定も未定です。