スマホを“寝かせる”習慣、始めませんか?
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IKEAが提案する「スマホも寝かせる」新習慣
夜な夜なSNSや動画を見ていて、つい寝不足になる…。そんな悩みを抱える人に向けて、IKEAがちょっと変わった解決策を打ち出しました。
アラブ首長国連邦(UAE)のIKEAが展開しているのは、その名も「Phone Sleep Collection」。中でも目を引くのが、スマートフォン用の小さなベッドです。見た目はIKEAらしいミニチュア家具風で、もちろん組み立て式。そして、このベッドにはNFCチップが内蔵されており、専用アプリと連動することで、スマホが「何時間寝たか(触られずに放置されていたか)」を記録してくれます。

その目的は、ユーザーに少なくとも7時間、スマホに触れない睡眠時間を確保させること。1週間連続で7時間の「無操作時間」を記録できれば、約27ドル(100ディルハム相当)の報酬バウチャーがもらえるという仕組みです。
アプリとNFCで睡眠を“可視化”
この仕組みを支えているのは、スマホに搭載されたNFC(近距離無線通信)機能と、IKEAが提供する専用アプリ。ユーザーは、スマホをこのベッドに置くだけで、自動的に「寝かしつけ」スタート。アプリ側ではスマホがベッド上に置かれている時間を裏でカウントし、毎晩7時間の「休息」が取れたかどうかを確認します。
スマホベッドの配布条件は、UAE国内のIKEAで**「Complete Sleep Collection」製品を750ディルハム(約200ドル)以上購入すること**。つまり、ちゃんと自分の睡眠環境も整えた上でスマホも寝かせようという提案なんですね。
ちなみに、ベッド自体のサイズはスマートフォン用のミニチュアですが、IKEAの本物のベッドを模したデザインになっているあたり、ちょっとした遊び心も。
睡眠とスマホ、そのジレンマへの新アプローチ
この取り組みは、単なるプロモーションに見えて、実は現代人が抱える「睡眠の質の低下とスマホ依存」という課題に正面から向き合ったものとも言えます。
夜遅くまでスマホをいじることで、脳が刺激されて眠れなくなるのはよくある話。近年では「Light Phone III」などのミニマルスマホが注目されているのも、同様の課題意識からです。
でも、IKEAのこの施策では、あえてスマホを変える必要はありません。お気に入りのデバイスを使い続けながらも、使い方を「工夫」するだけで睡眠改善につなげられる。そんな提案の仕方が、IKEAらしくて面白いなと感じます。
日本での展開は未定、でも注目の試み
残念ながら、この「Phone Sleep Collection」は現在のところUAE限定での展開であり、日本での販売や配布予定は発表されていません(2025年10月時点)。
とはいえ、スマートフォンを“物理的に寝かせる”というアナログとデジタルが融合したアプローチは、スマートライフを志向する層やガジェット好きにとっては十分に興味深いはず。
デジタル・ウェルビーイングという言葉が広まりつつある今、こうした「楽しくて、意味もある」取り組みがもっと広がってくれたらいいですね。
