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ITCが最終判断、Ultrahumanの販売を禁止
スマートリング市場で存在感を増していたUltrahumanが、米国での販売を停止することになりました。
米国国際貿易委員会(ITC)は、Ouraによる特許侵害の訴えを認め、Ultrahuman製スマートリングの輸入・販売禁止命令を正式に確定しました。
今回の決定は大統領審査期間を経て確定したもので、Ultrahumanは事実上、米国市場から撤退する形になります。これにより、米国市場ではOuraとSamsungが主要プレイヤーとして残ることになりました。
Ouraは今回の判決を「スマートリング業界全体の健全なコラボレーションを支える重要な節目」とコメントしています。
RingConnはOuraと和解、販売継続へ
一方で、もうひとつのライバル企業RingConnは異なる結末を迎えました。
Ouraとの間で和解が成立し、特許ライセンス契約を締結。今後も米国でスマートリングと専用アプリの販売を継続できるようになりました。
両社は契約内容を非公開としていますが、OuraがRingConnに複数年のライセンスを与える形で、すべての特許紛争が解決したと発表しています。
Ultrahumanは「Made in USA」計画を模索中
今回の販売禁止を受け、Ultrahumanは新たな対応策を模索しています。
同社は「テキサス州の自社施設での製造体制を検討中」とし、**米国内生産による“Made in USA版 Ring Air”**の投入を目指しているとのこと。
また、今回の判決の根拠となったOuraの特許「178番」について、米国特許商標庁(USPTO)による有効性審査が進行中で、12月に判断が下される見込みです。
Ultrahumanは、「特許の有効性が見直される可能性がある」としつつ、次期モデルの開発をすでに進めているとしています。
スマートリング市場、次の主役は誰に
今回の訴訟をきっかけに、米国のスマートリング市場は再び再編期を迎えました。
健康データのトラッキングや睡眠解析を武器に、Ouraが先行する一方、Samsungも参入を発表しており、2025年以降は大手同士の競争が本格化しそうです。
一方、Ultrahumanの動向次第では、“Made in USA”リングの復活という展開もあり得ます。
この小さなリングをめぐる特許戦争は、まだ終わりそうにありません。
