HomePodやHomePod miniを使ってラジオを聴いていると、再生中の番組内容まで記録されているのではないか。そんな不安をあおる報道が、イギリスの一部メディアで出ていました。
これに対し、Apple系メディアのApple Insiderが「事実ではない」と明確に否定しています。
発端は、Siriでラジオを再生した際に、HomePodがその放送内容を細かく記録しているという主張でした。ただし、その根拠は非常に限定的で、実際の仕組みとは異なる点が多いようです。
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HomePodはラジオ番組の内容を記録しない
Apple Insiderによると、HomePodやHomePod miniは、Siriに「BBC Radio 3を再生して」と頼まれれば、そのラジオ局を再生するだけです。
再生中にどんな楽曲や番組が流れたのか、どこで聴くのをやめたのかといった情報を、HomePod側が記録することはありません。
この点は、Apple MusicやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスと混同されがちです。ストリーミングサービスの場合は、特定の楽曲を再生した履歴がアカウントに紐づいて記録されます。しかし、ラジオ再生はあくまで外部の放送を流しているだけで、挙動が異なります。
HomePodの設定やHomePod Miniの設定を見ても、ラジオ番組の内容を保存・分析するような項目は用意されていません。
UKメディアの主張と公式発言のズレ
問題の報道では、イギリスの商業ラジオ団体RadiocentreのCEOの発言が引用されていました。ただし、その内容はRadiocentreの公式サイトやSNSでは確認できず、発言の文脈や正確性には疑問が残ります。
Apple Insiderは、こうした主張について「事実確認が不十分なまま、プライバシー不安を強調している」と指摘しています。
少なくとも、HomePodがラジオ放送の中身を逐一監視しているという証拠は示されていません。
規制強化を前に広がる誤解
今回の話題の背景には、イギリスの規制当局Ofcomが、スマートスピーカーに関する新たなルールを検討している状況があります。
2026年に向けて、HomePodなどのスマートスピーカーが、特定のラジオ局を公平に再生できるよう義務付ける動きが進んでいます。
こうした流れの中で、「スマートスピーカーがラジオを監視しているのではないか」という話が広がった可能性はありそうです。ただ、現時点でAppleは、ラジオ再生に関して求められている要件をすでに満たしていると見られています。
本当にリスナーの行動を把握しているのは誰か
HomePodやHomePod miniがラジオ番組の内容を記録していない一方で、リスナーの聴取データを把握している存在はあります。それはラジオ局自身です。
インターネット経由のラジオ配信では、どの番組がどれくらい聴かれたかといったデータが、配信側に集まる仕組みになっています。
少なくとも、HomePodのリセットやHomePod Miniの初期化が必要になるような、深刻なプライバシー問題が新たに見つかったわけではありません。今回の件は、スマートスピーカーとラジオ配信の仕組みを混同したことで生まれた誤解といえそうです。
引用: Apple Insider
