Appleが投入した空間コンピューティング端末、Apple Vision Proを巡って、評価が大きく割れています。販売不振や生産調整を理由に「失敗作」とする声がある一方で、数字を冷静に見ると、単純にそう言い切れない側面も見えてきました。海外メディアの分析をもとに、現状を整理します。
目次
Apple Vision Pro、販売台数と収益の実態
AppleはApple Vision Proを2024年2月に発売しました。高級感のあるデザインと引き換えに、本体は重く、価格も高額でした。発売から約1年で出荷された台数は、およそ50万台と報じられています。
一部報道では、2025年のクリスマス商戦期に売れたのは約4万5,000台にとどまったとされています。ただし、この数字でも単純計算で1四半期あたり約1億5,700万ドル以上の売上になります。これは、VR市場で圧倒的シェアを持つMetaのヘッドセット事業全体と比べても、無視できない規模です。
高価格ゆえの評価の難しさ
Apple Vision Proの価格は、一般的なVRヘッドセットの約10倍に設定されています。そのため、販売台数を他社製品と同列に比較すると、どうしても見劣りして見えます。
実際には、購入者の多くがストレージ容量を増やす構成を選ぶ傾向があり、実売単価はさらに高くなるとされています。加えて、企業向け導入も進んでおり、単なる一般消費者向けデバイスとは性格が異なります。数字の切り取り方次第で、評価が大きく変わる典型的な例と言えそうです。

Apple Vision Pro 2は誰向けなのか
現行モデルについて、Apple自身がどのような成功指標を置いているのかは明らかにされていません。ただ、Apple Vision Proは最初からマス向け製品ではなく、将来の空間コンピューティングを見据えたアーリーアダプター向けの位置づけだったと見られています。
次世代モデルとされるApple Vision Pro 2についても、同じ路線を引き継ぐ可能性があります。価格や仕様がどう変わるかは不明ですが、「何ができるか」を広げることよりも、visionOSを中心とした開発環境を育てる段階にあると考えられます。
中古市場と日本での立ち位置
日本ではApple Vision Proの価格が高く、一般ユーザーには手を出しづらい存在です。そのため、中古市場への関心も高まりつつありますが、流通量はまだ限られています。現時点では、日本向けの大きな価格改定や普及施策は確認されていません。
Apple Vision Proは、短期的な販売台数だけで評価する製品ではなく、Appleが描く将来像への布石として捉える必要がありそうです。成功か失敗かを判断するには、まだ早い段階にあると言えるでしょう。
引用: Apple Insider
