Apple Watchの“血中酸素測定”をめぐる特許争いが、また動きました。今度は2025年に入ってAppleが導入した“回避策”が、医療機器メーカーMasimoの特許を侵害しているかどうかが焦点です。
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米ITCが再調査を開始。焦点はAppleの「ソフト的な回避策」
米国国際貿易委員会(USITC)は、Apple Watchの血中酸素測定機能について、Appleが2025年に導入した新方式がMasimoの特許を侵害していないかどうか、あらためて調査を始めたと発表しました。
そもそも2023年、Apple Watch Series 9 と Apple Watch Ultra 2 がMasimoの血中酸素測定技術を侵犯していると判断され、アメリカ国内への輸入が一時停止されました。
これを受け、Appleは該当モデルで血中酸素センサーを一時的にソフトウェアで無効化。その後2025年8月、米税関の承認を得たとして、新方式の血中酸素測定機能を復活させています。
今回は、この“復活バージョン”が本当に特許回避になっているのかが焦点。ITCの新調査は2026年4月までに結論が出る見通しです。
Masimoは強く反発。「知らないうちに承認を取られた」と主張
Masimo側は、Appleが2025年8月1日に米税関と協議して機能再有効化の承認を得た際、自分たちには事前連絡もなかったと主張しています。
Appleは処理の一部をiPhone側に移し、測定方式が旧式とは異なるため、特許侵害には当たらないと説明。しかしMasimoは「Appleが発表するまで復帰を知らなかった」として、税関を相手取って別途訴訟も進めています。
もしITCが「まだ特許侵犯が続いている」と判断すれば、再び輸入禁止になる可能性もあるとのこと。これは米国内のApple Watch供給や機能提供に影響が出る可能性があります。
経営側にも動き。問題を仕掛けた創業CEOは退任へ
この特許問題を主導してきたMasimo創業者のJoe Kiani氏は、株主との対立や買収問題の影響で2025年にCEOを退任。現在は、Politan Capitalの支援を受けたMichelle Brennan氏が暫定CEOとなっています。
Appleは「Kiani氏に何度も連絡したが協議が進まなかった」と説明。一方Kiani氏は「Appleからの連絡を待っていた」と語るなど、双方の認識は噛み合わないまま。この人事交代が今後の交渉に影響するかもまだ不透明です。
血中酸素測定はApple Watchの中核機能。再び揺れる可能性も
今回の調査は、Apple Watchの中でも存在感が大きい“血中酸素測定”が再び止まる可能性がある、という点でユーザーにとっても影響が大きい話です。現在は機能が有効化された状態ですが、2026年の判断次第でまた変更が入る可能性があります。
健康機能をめぐるAppleとMasimoの長い攻防は、まだしばらく続きそうです。
引用: Apple Insider
