
Xiaomiが自社製OS「HyperOS 3」を正式発表しました。
今回のアップデートでは、注目の新機能「Super Island(スーパーアイランド)」を筆頭に、ビジネス向け効率化やセキュリティ強化、クロスデバイス連携といった、プロユーザー向けの大規模な改善が多数盛り込まれています。
Androidベースの独自UIという枠を超えて、HyperOS 3は「エコシステム全体を見直す」ような思想を感じる内容になっており、今後のXiaomiデバイス全体の方向性を示す布石ともいえそうです。
目次
Super Islandでマルチタスク体験を刷新
HyperOS 3の最大の目玉は、なんといっても「Super Island」と呼ばれる新しいUI機能です。
これは、従来のマルチタスクを再定義するようなインターフェースで、アプリごとの動作を“島”のように分けて表示できる仕組み。
極細フォントとミニマルなUIで構成されており、複数のアプリやワークフローを同時に俯瞰することができます。
また、各島(アプリ)を切り替える動作も直感的で、ジェスチャー操作ひとつで必要なツールや情報にアクセス可能。
いわば、iPhoneのDynamic IslandとmacOSのMission Controlを掛け合わせたような印象で、特に業務用やクリエイター用途での活躍が期待されます。
デザインと視認性の両立に注力
見た目の部分でもHyperOS 3は大きく進化しています。
AI生成によるダイナミックな壁紙、画面中央に配置されたロック画面の時計、新たな被写界深度効果など、集中しやすい“整った作業空間”を意識した設計に。
アプリアイコンも高解像度化され、デスクトップのレイアウトはよりシンプルかつ視認性の高いものへ刷新されています。
通知バーも情報を厳選する方向で整理されており、ガジェットオタク層だけでなく、スマートライフ志向のユーザーにも受け入れられやすい方向性になっています。
iPhoneとの連携も強化、ファイル共有がスムーズに
Xiaomiは以前からWindows PCやXiaomiタブレットとの連携機能を進めてきましたが、HyperOS 3ではApple製品とのクロスデバイス対応が本格化しています。
- Xiaomi ⇔ iPhone 間でのファイルコピペや写真・動画の転送がシームレスに
- XiaomiスマホとMacBook/iPadでのマルチウィンドウ連携
- メッセージの双方向同期やミラーモードでの返信にも対応
といったように、仕事や日常で複数のデバイスを使うユーザーにとって利便性の高い機能が揃っています。
Face IDによるデバイスロック解除など、セキュリティ面も含めた統合が進んでいます。
セキュリティ・AI・対応端末まで全方位にアップデート
HyperOS 3では、Xiaoai AIアシスタントも強化されており、80以上の業務用アプリと1,000以上の機能に1タップでアクセスできる「ワンステップアクセス」や、スマート検索機能が実装されました。
セキュリティ面では、量子耐性を意識した暗号化アルゴリズム、端末の電源オフ・オフライン状態でも可能な位置検索、写真への個別アクセス権の設定など、より細やかな制御が可能になっています。
なお、対応端末やアップデート時期は「MemeOS Enhancer」アプリ(Google Playから入手可)で確認可能です。
Xiaomiが“脱Android UI”に本腰を入れ始めた印象
今回のHyperOS 3の発表から感じるのは、Xiaomiが単なるAndroidのスキンとしてのUIを脱し、「自社エコシステムの中核」としてHyperOSを位置づけ始めたことです。
Super IslandのようなユニークなUI体験に加え、iPhone・Macとの本格的な連携、企業ユースを意識したセキュリティ設計まで、かなり明確に「仕事で使えるスマホOS」を志向している印象があります。
現時点では日本国内向けの正式アップデート時期や対象機種の詳細は明らかにされていませんが、グローバル市場でHyperOS搭載モデルが増えてくれば、日本市場への波及も時間の問題かもしれません。
ソース元:Xiaomi Times