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有料リリースも「買うのはまだ待て」との声
Android向けに新たなPlayStation 2エミュレーター「PSX2」が登場しました。
Google Playストアで約5ドル(約750円)で配信されていますが、リリース直後からコミュニティ内では「購入を急ぐな」という声が上がっています。
このアプリは、Windows・Mac・Linuxで定番のオープンソースエミュレーター「PCSX2」をベースに開発されたもので、ARM64環境向けの移植プロジェクト「PCSX2_ARM64」をさらにフォークして作られたもの。GitHub上でソースコードも公開されており、自分でビルドすれば無料で利用できます。
一見すると便利な形での移植のようにも見えますが、開発背景には少しややこしい事情があるようです。
Redditでの告発「他人のコードを流用しただけ」
リリース直後、Reddit上でユーザー「Accurate_Silver_9828」がスレッドを立ち上げ、PSX2に関する議論が広がりました。
そこで「ARMSX2」開発チームの関係者が、PSX2を「他人の成果物をそのまま使った低品質なプロトタイプ(non-functional early proof of concept)」だと批判。
「独自の改良がほとんど見られない」として、Playストアでの有料配布に疑問を呈しています。
この騒動を受けて、ユーザーからは「自分でビルドしたほうがいい」「APKを配布している非公式サイトもあるが、ダウンロードは自己責任で」といった注意喚起が相次いでいます。
2025年はAndroidエミュ界の当たり年
2025年に入ってから、Android向けエミュレーターの進化は加速しています。
特にPS2エミュレーションでは「NetherSX2」が大きな進展を見せており、スマートフォンでも多くのPS2タイトルが快適に動作するようになりつつあります。
そんな中で登場したPSX2は、期待を集める一方で信頼性の面ではまだ様子見という立ち位置。
開発者コミュニティでは、より安定した「PCSX2 Android版」プロジェクトが進行中で、近いうちに公式的な形での配信も見込まれています。
本当に試すなら“無料ビルド”がおすすめ
現時点でPSX2の完成度や動作報告は限られており、「5ドル払って入手する価値があるか」は判断が難しいところ。
GitHub上でソースコードが公開されているため、試してみたい人は自分でビルドして無料で動作を確認するのが無難です。
PS2エミュレーションがスマートフォンでどこまで進化できるか——。
2025年はその転換点となりそうですが、少なくとも「PSX2」が決定版というわけではなさそうです。