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英国では実質2倍の値上げに?
Googleがスマートホーム関連のサブスクリプションを大幅に再編します。
新たに導入された「Google Home Premium」は、これまで提供されてきた「Nest Aware」や「Nest Aware Plus」を置き換える形で2026年までに完全移行される予定です。
しかし、この移行をめぐってユーザーの混乱が広がっています。
特に英国では、これまで「Google One」の2TBプランに含まれていた「Nest Aware」や「Fitbit Premium」が分離されるため、実質的に月額料金が倍近くに跳ね上がる見込みです。
これまで£8(約1,500円)で利用できたバンドルが、今後は「Google Home Premium」と「Fitbit Premium」をそれぞれ個別に契約する必要があり、結果的に合計£18.99(約3,800円)ほどになると報じられています。
新機能「Ask Home」や「Home Brief」は有料に
「Google Home Premium」は、AIアシスタントGeminiを統合した新しいHome体験を軸にしています。
このアップデートにより、ユーザーは「Ask Home」で家中のデバイスに質問したり、Geminiがセキュリティカメラの映像を自動で解析する、といった高度な操作が可能になりました。
ただし、これらの機能は有料プラン限定です。
既存のNest Awareユーザーの一部は「以前よりも高い料金を求められている」と不満を漏らしており、実際に米国では「返金の申請ページにたどり着けない」「アプリがループする」といった報告も寄せられています。
米国ではやや優遇も、混乱は残る
一方、米国では「AI Pro」プランとの組み合わせにより、ややお得になるケースもあります。
例えば、従来月額30ドル(約4,500円)かかっていた組み合わせが、AI Proと統合することで20ドル(約3,000円)に抑えられることもあるようです。
「Nest Aware Plus」ユーザーも同様に、AI Pro加入者には一部返金が適用されます。
ただし、返金は自動ではなくユーザー自身が申請する必要があり、案内も分かりづらいとの声が相次いでいます。
あるRedditユーザーは「Google HomeアプリでもGoogle Oneのページでもアップグレード方法が見つからず、ずっと同じ画面に戻される」と投稿しており、説明の不親切さが問題視されています。
Googleは「統合」か「分断」か
今回の変更は、GoogleがAIやスマートホーム領域でより高付加価値な統合プランを推進する狙いがあるとみられています。
ただし、その実態は「統合」というより「細分化」に近く、結果的にユーザー負担を増やしているのが現状です。
Appleが「Apple One」で各種サービスをまとめたように、Googleにも同様の包括プランを望む声は少なくありません。
サブスク時代の「便利さ」と「わかりやすさ」、Googleがどちらを優先するのか──今後の動きが注目されます。