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FIIイベントで登場した軽量XRグラス
サウジアラビア・リヤドで開催された「Future Investment Initiative(FII)」にて、GoogleとMagic Leapが共同開発したAndroid XRグラスの新プロトタイプを披露しました。
Googleがコンセプトグラスを公式イベントで公開するのは、今年のGoogle I/O以来。わずか1週間前にSamsungが「Galaxy XRヘッドセット」でXR時代の幕開けを告げたばかりですが、Googleはすでに“ヘッドセットを超える次の形”を見据えているようです。
Magic Leapとの提携を3年延長、ARエコシステムへ転換
両社は2024年から協業を続けており、今回そのパートナーシップをさらに3年間延長したことも発表されました。
Magic Leapは今後、自社でハードウェアを販売するのではなく、Googleなどの企業とともにARエコシステムを構築する立場に回るとのこと。
FIIで披露されたグラスは、Magic Leapのウェーブガイド光学技術とGoogleのRaxium製マイクロLEDライトエンジンを組み合わせた設計。

軽量なフレームながら、高精細な映像を全天候で自然に重ね合わせることが可能です。Google XR部門のShahram Izadi副社長は「Magic Leapの精密な光学技術によって、デジタルの重ね合わせが現実にしっかりと馴染む」とコメントしています。
Gemini AIが現実世界を“読み取る”デモも披露
デモでは、以前の試作機「Google Martha」をベースに、Gemini AIがリアルタイムで周囲の物体を識別し、音声と視覚でサポートする様子が紹介されました。
たとえば、街を歩きながら建物や店舗に関する質問をすると、視界上に直接答えが表示される仕組み。
また、ショップでラグを選ぶ際にはAIが模様を解析して好みに合うデザインを提案したり、ゴルフのスイング後にアドバイスを表示したりと、日常に溶け込む自然なアシスト体験を目指しています。
Android XRの未来に一歩近づいた試作機
今回のプロトタイプは一般販売予定の製品ではなく、Android XRエコシステム全体のリファレンスモデルとされています。
外観は以前のモデルと大きく変わらないものの、技術面では明らかに成熟が進んでおり、Googleが本格的なXRグラスの実用化段階に入りつつあることを示す内容です。
現時点での発売時期や日本での展開は未定ですが、GoogleとMagic Leapの新たな提携が、今後のAR/XR市場の方向性を大きく左右する可能性があります。
