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Windows版「Samsung Internet」が登場。AIブラウザ戦争に参戦
ChromeやFirefoxといった定番ブラウザに加え、最近ではAI機能を統合した新しい選択肢も増えています。そんな中、Samsung(サムスン)が意外な動きを見せました。
同社のモバイル端末向けブラウザ「Samsung Internet」が、ついにWindows向けにベータ版としてリリースされました。現在はアメリカと韓国のユーザー向けに提供されています。
この動きは、スマートフォン、タブレット、PCをつなぐ「Galaxyエコシステム」を強化する戦略の一環であり、同社が掲げる「ambient AI(環境的AI)ビジョン」の実現に向けた第一歩とされています。

Galaxy AIを搭載。翻訳や要約もワンクリックで
新しいWindows版Samsung Internetには、Galaxy AIによる**「Browsing Assist」機能が搭載されています。
これは閲覧中のWebページを自動で要約したり、翻訳したりできるAI機能**で、情報の多い現代のWeb環境で“必要な情報を瞬時に整理する”ためのサポートを提供します。
また、モバイル版で採用されていた**「Smart Anti-Tracking」や「Privacy Dashboard」**も引き継がれており、プライバシー重視の設計が維持されています。第三者Cookieのブロックや、追跡防止のコントロールが可能です。
Galaxy端末間で履歴やログイン情報を同期
Samsung Internetは単なるAIブラウザではなく、端末間のシームレスな体験を目指しています。
Galaxyスマートフォンやタブレットで見ていたページをPCでそのまま開けるよう、ブックマーク・履歴・ログイン情報をSamsung Pass経由で同期できます。
これにより、モバイルからPCへ作業を引き継ぐ際もスムーズ。AppleやMicrosoftのように、Samsungも“自社エコシステムで完結する体験”を構築しようとしていることが分かります。
現在はベータ版。今後のAI統合に注目
現時点ではベータ段階のため、利用できるのはWindows 10 / 11を使う米国・韓国ユーザーのみ。
ただし、Samsungは今後このブラウザを軸にGalaxy AIスイートをPCにも展開していく方針を明確にしています。
モバイルからデスクトップまで一貫したAI体験を構築する――。
今回のリリースは、Samsungが「端末メーカー」から「AIプラットフォーム企業」へと進化するための布石と言えるでしょう。
