NothingがAndroid 16ベースの「Nothing OS 4.0」オープンベータを公開しましたが、その中にユーザーの間でちょっとした議論を呼んでいる新機能が登場しました。その名も「Lock Glimpse」。ロック画面に“新しい体験”をもたらすというこの機能、どうやら実態は「広告付きロック画面」に近いようです。
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Nothing Phone 3aシリーズでオープンベータ開始
Nothingは、Nothing Phone 2/3/2a/2a Plusに続き、Nothing Phone 3aおよび3a Pro向けにAndroid 16ベースの「Nothing OS 4.0」オープンベータを開始しました。
今回のアップデートでは、アイコンデザインの刷新、カメラアプリへの新プリセット「Stretch」の追加などに加え、注目の新機能「Lock Glimpse」が導入されています。

「Lock Glimpse」は“Glance”の再来?
Nothingによる説明では、「Lock Glimpse」は“高品質な壁紙と有用なコンテンツ”をロック画面上に表示する機能とのこと。設定画面では、ロック画面を左にスワイプすることで「Lock Glimpseの魅力的なコンテンツを発見」と書かれています。
しかし、この説明に既視感を覚える人もいるはず。多くの低価格・中価格帯Androidスマホにプリインストールされている「Glance」というアプリとほぼ同じ構造だからです。Glanceは“コンテンツ表示”を名目にロック画面で広告を配信する仕組みとして知られています。
Nothing OSはもともと「クリーンなUX」を掲げており、余計なアプリや広告を排除することがブランドの特徴でもありました。そんなNothingが広告のような要素を取り入れることに、ファンの間では疑問の声も上がっています。
現時点では“任意”設定、今後はどうなる?
救いなのは、この「Lock Glimpse」が現時点では**ユーザーの任意(opt-in)**であること。設定をオンにしない限りは、ロック画面が広告化することはありません。
ただし、過去の他社事例を見ると、こうした“任意機能”が次第に“デフォルト有効”へと移行していったケースも少なくありません。Nothingがどのような方針を取るのかは、今後のアップデートで注目されます。
またNothingによれば、ユーザー自身の写真をロック画面に設定すれば、Lock Glimpseの“コンテンツ”は表示されないとのこと。とはいえ、それなら最初からこの機能を入れる必要はあったのか、という疑問は残ります。
「クリーンなUX」を掲げるNothingに試される姿勢
今回のLock Glimpseは、Nothingが掲げてきた「シンプルでノイズのないUX」というブランド哲学と相反する方向性とも言えます。
ユーザー体験を犠牲にしてでもマネタイズの道を探るのか、それともフィードバックを踏まえて原点回帰するのか。Nothingの次の一手が問われるタイミングです。
