
スマートリング市場で存在感を示すOura(オーラ)が、年末にかけて大規模な機能アップデートを実施するようです。今回の焦点は、「慢性的なストレス」と「高血圧のリスク」という、いずれも生活の質に関わるテーマ。
Oura Ringの活用幅が広がるなかで、心と体の状態をより深く可視化できるようになっていきそうです。
目次
累積ストレスの可視化で「見えない負荷」に注目
Ouraは2023年に短期的なストレス計測を導入しましたが、今回はそこからさらに一歩進んで、「Cumulative Stress(累積ストレス)」という新機能を数週間以内に全ユーザー向けに提供予定。
この機能では、心拍数や心拍変動、体温といった指標に加え、睡眠とアクティビティの傾向、そして自己申告式のストレス調査(たとえばCopenhagen Burnout Inventory)を組み合わせて、身体に蓄積される「見えにくい負荷」を評価します。
特に、仕事や生活のストレスがじわじわと溜まっているのかを俯瞰で確認できるのは、多忙な現代人にとってありがたい機能かもしれません。
アプリ再設計で生理・排卵予測も大幅強化
ストレス関連の新機能とあわせて、OuraアプリのUIも刷新予定。ストレスデータをひとまとめに管理できる「Stress Managementビュー」が新設されるほか、生理周期の予測機能「Cycle Insights」も強化されます。
これまでは約60日間の装着データが必要だった予測が、わずか一晩の使用で可能に。また、予測対象期間も従来の1か月から最大1年間まで拡張されるとのこと。よりパーソナライズされた健康管理が期待できそうです。
血圧リスクを可視化する新プロジェクトも始動
さらに注目なのが、Ouraが始めた「Blood Pressure Profile(血圧プロファイル)」という研究プロジェクト。現時点でOura Ring自体に血圧を直接測定する機能はありませんが、心拍や体温といった既存のデータに加えて、生活習慣や家族の病歴などに関するアンケートを組み合わせ、ユーザーの高血圧リスクを推定する仕組みを開発中です。
この研究は、Oura Labsの参加者を対象に数か月以内に本格的な試験段階へ進む予定で、米国の審査委員会(IRB)による承認も得ています。
ヘルスケアガジェットとしての方向性がより明確に
今回の一連のアップデートは、Ouraが単なる睡眠&活動トラッカーから、より包括的なヘルスケアデバイスへと進化していく姿勢を示すものと言えそうです。
ストレスと血圧という、日々の健康に密接に関わる要素をデータで捉え、ユーザー自身の状態を知る手がかりとして提供する。その動きは、今後のウェアラブル業界におけるOuraの立ち位置を、さらに強固なものにしていくかもしれません。