
Nintendo Switchエミュレーター界にまた新しい動きがありました。人気タイトル『Hollow Knight: Silksong』への対応を含む、Kenji-NXの最新アップデート「v2.0.5」がリリースされています。
目次
約4か月ぶりの更新、Silksongがついにプレイ可能に
Nintendoから法的措置を受けたYuzuが終了して以降、Switchエミュレーション界は一度停滞したものの、今年に入り再び活気を取り戻しています。
Yuzuの派生版「Citron」や「Eden」に続き、Ryujinx派生の「Kenji-NX」も大きな進化を遂げました。
今回の「v2.0.5」アップデートでは、『Hollow Knight: Silksong』への正式対応が追加。これは先月、Edenで先行対応が進んでいたタイトルですが、Kenji-NXでも動作可能になったことで、より多くの環境でプレイできるようになりました。
現時点での対応プラットフォームはWindows、macOS、Linuxで、Android版は最終テスト段階とのことです。
新機能“Turboモード”を搭載、動作高速化も
今回の目玉機能のひとつが「Turboモード」です。
このモードはCPUサイクルを一時的に加速させるもので、他のエミュレーターでいう「早送り」機能に近い仕組み。
ただし、ゲーム内部で物理演算やアニメーションを制御しているCPUの“タイムティック”を操作するため、一部タイトルでは挙動が不安定になる可能性もあると開発者は注意を促しています。
そのほか、クラッシュやバグ修正なども多数実施され、特にSnapdragon 8 Elite搭載デバイスでの安定性が改善されています。
開発は1人の開発者によって継続中
Kenji-NXは、Ryujinxをもとにした派生版ながら、開発はほぼ1人の開発者「KeatonTheBot」氏によって進められています。
前回の更新(2025年7月)から約4か月ぶりのリリースであり、開発スピードは大手プロジェクトに比べてゆるやかですが、着実に改良が重ねられています。
公式Gitページではすでに最新版がダウンロード可能で、Android版も「まもなく公開予定」とのこと。エミュレーション愛好家にとっては、注目すべきアップデートになりそうです。
エミュレーター開発の流れは止まらない
NintendoによるYuzu閉鎖後も、コミュニティの熱は冷めていません。Kenji-NXをはじめとした派生エミュレーターが次々と進化を続けており、Switchタイトルを多様なデバイスで動かす試みはさらに広がっています。
Silksong対応とTurboモードの導入は、その流れの象徴とも言えるでしょう。