
Googleが、自社のスマートウォッチ「Pixel Watch」に高血圧リスクを知らせる新機能を準備していることがわかりました。これはApple Watchがすでに導入している仕組みに近いもので、ユーザーの血圧を直接測定するわけではなく、日々のセンサーデータを解析して「高血圧の可能性あり」とアラートを出す形になるようです。
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Apple式に近い“血圧リスク通知”を検討中
海外メディアの報道によると、この機能は「tidal」というコードネームで開発されており、Pixel Watchの光学式心拍センサーから得られるデータを利用して、血管の反応を解析する仕組みとされています。
Apple Watch Series 9以降では同様の仕組みが採用されており、30日分のデータをアルゴリズムが解析し、慢性的な高血圧の兆候が見られた場合にユーザーへ通知を行います。
一方でSamsungのスマートウォッチは、定期的なキャリブレーションが必要で、収縮期/拡張期の血圧を推定値として表示するアプローチを取っています。各社それぞれ異なる方法を模索している中で、Googleもついにこの領域に参入しようとしているわけです。
Fitbitを使った大規模研究を準備
Googleは今回の機能開発にあわせて、「Fitbit Labs」名義で高血圧に関する研究プロジェクトを開始予定です。参加者は簡単なアンケートに回答した上でPixel Watchから取得されるセンサーデータを提供し、一部の人は24時間の血圧モニター装着を依頼されるとのこと。その協力に対しては50ドル(約7,500円)の謝礼も支払われるそうです。
Googleは「研究および情報提供を目的とするもので、医療上の助言には当たらない」と明記しており、まずはアルゴリズム精度の向上を目指してデータ収集を行う形になります。
既存のPixel Watchにも対応する可能性
現時点では、この高血圧アラート機能が既存のPixel Watchシリーズでも利用可能になるのか、あるいは今後の新モデル専用になるのかは明らかになっていません。ただし今回の研究は現行のセンサーをベースにしているため、既存モデルへの提供にも期待できそうです。
日本での提供時期や展開については未定ですが、スマートウォッチが「日常の健康リスクを知らせる」存在としてさらに進化する可能性を示すニュースとなりました。