
Raspberry Pi Compute Module 5を搭載した自作ハンドヘルドゲーム機「DSpi」が公開されました。
ニンテンドーDSを思わせる2画面クラムシェルデザインで、完成品が市販されるわけではありませんが、GitHubに設計データや部品リスト、ソフトウェアが公開されています。
目次
3Dプリント筐体とデュアルIPSディスプレイ
開発者のborpendy氏は、市販部品とカスタム部品を組み合わせて製作しています。
筐体は3Dプリンタで出力され、内部にはカスタムPCBを採用。そのほかの主要部品は入手可能で、以下のような構成になっています。
- 上画面:Waveshare 5インチ IPS液晶(800×480ピクセル)
- 下画面:Waveshare 4.3インチ IPS液晶(800×480ピクセル)
- SoC:Raspberry Pi Compute Module 5(RAM 8GB以上推奨)
- バッテリー:5,000mAh LiPo
- オーディオ:ステレオスピーカー、デジタルオーディオコンバータ、ヘッドホン端子
OSはmicroSDカードにインストールしたRaspbianベースで動作し、ゲームパッド部分はRP2040マイクロコントローラとGP2040CEファームウェアによって制御されます。
DSエミュレーションを想定した実験的プロジェクト
DSpiは主にニンテンドーDSのエミュレーションを目的としていますが、開発者自身が「実験的なプロジェクト」であり、特にソフトウェア面ではまだ改善の余地が大きいとしています。
総コストはカスタム部品を除き約300オーストラリアドル(約200米ドル)とされており、市販のハンドヘルドと比べると性能や完成度で劣る可能性があります。
そのため「すぐに遊べる完成品」を求めるユーザーには不向きですが、DIYとしてのカスタマイズ性は市販品以上です。
将来的にはモジュール式アーキテクチャへ
borpendy氏は今後、同じRaspberry Pi Compute Moduleとメインボードを使いながら、ドーターボードや筐体を交換することで異なる機能を持つハンドヘルドを構築できる「モジュール式アーキテクチャ」の実現を目指しているとしています。
これにより、安価で迅速なプロトタイピングが可能になる見込みです。
現時点で日本での発売予定はなく、プロジェクトに関心がある場合はGitHubで設計データを参照する形となります。